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伏見康生のコラム
「NO.15: 「中耳炎とその治療(2)」」

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2008年11月15日

 それはのどから耳管を経由して細菌感染を起こしている場合です。中耳には外耳道(耳の穴)のほかにも、外界と連絡する通路を持っています。それが耳管です。耳管は細い管で、鼓室胞と咽頭鼻部(のどの手前側と考えてください)を連絡しています。耳管は中耳内部の空気の通り道で、中耳腔と外界の圧力を等しく保っています(高所で耳が痛くなったり聴こえにくくなるのは、中耳腔の圧力が外界よりも高まるためで、唾を飲むと耳管が開いて症状が改善します)が、時にここから細菌が感染するため中耳炎を起こすことがあるのです。鼻腔(鼻の奥の空洞、耳管の出口とも近接します)の細菌を分離すると、元気な子牛でも高率にマイコプラズマが検出されます。ちょっとしたきっかけ(ストレスによる免疫の低下、肺炎などによるマイコプラズマの増殖、耳管がミルクで汚れるなど・・・)さえあれば「いつでも準備オーケーでした」とばかりに中耳炎へと発展するリスクがあるのです。
 次回からは中耳炎の症状についてです!!
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