(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.14: 「中耳炎とその治療(1)」」

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2008年11月8日

 以前、松本先生のコラム「子牛の目がかたっぽ小さい」で、マイコプラズマという細菌によって引き起こされる中耳炎について紹介されましたが、今回からのコラムではその治療法について少し詳しく紹介していきたいと思います。治療するにはまず敵を知らねば・・・ということでまずは、中耳炎と中耳の構造についてです。
 中耳炎とは、主に細菌などの感染による中耳の炎症を指します。子牛の中耳炎はマイコプラズマによるものが多く、特に多頭飼育の子牛群に発生が多いといわれています(やはりストレスによる免疫の低下、マイコプラズマ性肺炎の集団発生が原因となるのかな?)。中耳は鼓膜によって外耳と隔てられていて、鼓室鼓室胞と呼ばれる腔所よりなります。中耳炎の多くは細菌が外耳道へ進入して外耳炎を起こし、その炎症が鼓膜を突破して中耳炎に発展すると考えられています。この場合は外耳炎が先行するため、子牛は耳から汚い汁を排泄していますが、中には耳がまったくきれいなのに中耳炎を起こしている場合もあります!! それは・・・(つづく)
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