(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.6: 「注射をしよう!!!1−2」」

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2008年9月13日

 シェパードではほとんどの場合、筋注は以下の方法で行っています。
 柵等にしっかりと保定した牛の横に立ち、牛が落ち着くのを待ちます 背中を掻いてあげるのも有効です アルコール綿花などで注射したい部位(肩甲骨の前縁が一番よいです)を消毒します
 右手で注射器を図1のようにしっかりと持ちます 針は人差し指の第一関節あたりと親指の腹でしっかりと挟みます (えっ!?針に触れるの?と思うかもしれませんが、人差し指がストッパーになるため触れている部分は牛に刺さりません。注射器と針は安定しますし、刺入する深さを加減することができます)
 左手で肩甲骨前縁の皮膚を親指と人差し指、中指で深くつまみ、ビヨ〜ンと引っ張ります
 皮膚を引っ張っている親指の位置から、針を筋肉に30〜45度くらいの角度で刺します(刺入される深さは針を抑えている人差し指の位置で決まるので、子牛なら針は短く持つとよいです)
 左手で伸ばしている皮膚を、右手の親指と針の間にしっかり挟みます(④〜⑤へはすばやく!!) 針を挟んでいた人差し指と親指で皮膚も一緒に挟んでいる状態です 左手はフリーになります(この時点でもう牛が多少暴れても針が抜けたり、ポンプから取れたりといったことはありません)
 左手でポンプの内套を引いてみて、血液や空気が入ってこなければ薬剤を注入します(図2)
 注射器を抜いて、注射部位を揉んであげれば終了です

 この方法で筋注すれば、先に挙げた問題点はすべて解決できますよ!!ただこの方法が万能というわけではなく、状況に応じていろいろな筋注の方法があってしかるべきだと思います。乳牛のようにスタンチョンにずらーっと並んでいる牛の間にぐりぐりと割って入り、おごそかに肩甲骨前縁にPG(ホルモン剤)を2ml筋注・・・を10頭・・・とかしていたら、終わったころには農家さんはいないいかもしれません(笑)

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