(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
「エサ屋の一人として見る畜産(5)」

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2011年12月20日

5)エサ屋としてできること

 我々エサ屋(少なくとも私)は毎日同じ牧場に行くわけにはいきません。頻度は人それぞれと思いますが、毎日同じ牛さんを見ることは、よっぽどのことがない限りできません。だからこそ他の農家さんの牛との比較が出来たり、たまに行くからこそ見えたりするものもあると思っています。牛舎に入らさせてもらい牛さんや糞の状態、牛舎の臭い、飼槽や水槽の状態等を見て、「あの農家さんとはこの辺が違うな。」とか、「この前見たときとなんとなく変わったな。」と思えばそれを自分なりに伝えます。もちろん悪いポイントがこれと分かれば良いのですが、若輩者の私には「なんとなくおかしいな。」くらいにしかわからないことも多いです(はやく牛さんの気持ちがわかるようになりたい…)。ただ、その一言でその牛さん達を見つめ直してもらい、問題なければそれで良いし、問題が見つかればさらに良いと思います。つまり、本当に邪魔をしています。余計に考えさせてしまうかもしれません。ただ言い難いことでも言うようには心がけています。(この一言で誤解を招くこともありましたが、それは私の言語能力の至らなさを反省しています。申し訳ありません。)さらに、枝肉を見させてもらったり、格付成績を見させてもらったり、農家さんと色々な話をしたりしながら、改善できる点を探し、その結果、その牧場が喜んでもらえるように考えています。

 最後に、我々エサ屋という仕事は、エサという道具を使って、農家さんの経営が今よりも良くなるように話し合いながら、利益を上げていただき、喜んでもらい、さらに生産活動を続けていただく事が仕事の目的であると思います。その方法は、その農家さんによって異なりますが、一緒になって改善の道を考えていきたいと思います。一緒に牛を眺めたり、一緒にエサをいじってみたり、一緒に飲んだり(これが一番多い?)して、喜んでもらいたいと思っています。

 長々と退屈なコラムになりまして申し訳ありません。日々精進しますので、今後ともよろしくお願いします(といっても匿名ですが…)。

 あ、松本先生、この度はこのような大役の依頼をいただきまして、本当にありがとうございます。もっと、ラフな文章にしたかったのですが、私の性格が真面目すぎるので…この程度でご容赦ください。また、美味しいお好み焼きを食べに行きましょうね。(おわり)

 さすらいのポルコロッソ

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