〜 都市と地方(農林漁村)〜
前回は、人が「目に見えないもの」に支えて貰っていることについて触れました。人は「目に見えないもの」には気が付かず、見過ごしてしまうことが残念ながら多いようです。今回のテーマは「都市と地方(農林漁村)」。
都市で暮らす人たちの目には、地方(農林漁村)の現場(畑)が見えているでしょうか?農林漁村の人たちの目には、都市の人たちの日々の暮らしが見えているでしょうか?
都市の子供たちの中には、魚の切り身が海を泳いだり、キュウリの実が土から顔を出している等々、俄かには信じ難い認識をしているケースがあるようです。「食育」云々という以前に、家庭で「料理をしなくなった」り出来あいのものばかりを買ってきたりしてきたことと並行して、都市と地方(農林漁村)の「距離」が余りにも広がってしまったと言えるのではないでしょうか。これは私たち大人の責任です。現場(畑)は、私たち大人だけでなく、寧ろ子供たちが来るのを待っているはずだし、子供たちこそが潜在的にも現場に行きたがっているはず。現場には現場ならではの大いなる発見があり、子供たちにとって現場はきっと感動の宝庫と言えるでしょう。
都市と地方の「距離」が「食の在り方」を考える上で何かのヒントを与えてくれそうです。次回以降は、他にもヒントを与えてくれそうな幾つかのポイントについて触れてみたいと思います。
(つづく)
木原 茂明