〜 安さの裏側にある悲しみ? 〜
良かれと思って私たちがやり続けてきたことが、何かのマイナスに繋がっているとしたら。。。
産まれくる子供たちの半分以上が何らかのアレルギーにかかり、「悪性『新』生物」と言われた癌が、最早「新しくない」、当たり前の病気として、老年層のみならず、若年層にまでも広くみられ変わり果てた現代生活。一体どれだけの新種の病気が今後も生まれ続けるのでしょう。新種の病気が生まれ続ける、その裏側に在る根本的な環境要因と現代生活との結びつきについてもっと真剣に目を向ける必要があるでしょう。「食」のみならず、私たちの現代生活を構成する一つ一つがきっとそうした病気と結びついていて、私たちの身近な場所での悲しみや嘆きに繋がっている、私はそういう見方をしています。
ここ数十年間の動向をみた場合、国内の医療費の膨れようは半端ではありません。誤解を恐れずに私の見方を言うとすれば、生産者をはじめとする関係者が良かれと思って続けてきた努力のお陰で食料価格が下がった結果、(他の要因もありますが)医療費が急増。高齢化だけで説明はつかず。要は食料コスト低減の為に行われた何かが廻り回って医療費を増加させた。その一方国産食料の生産額が減り安い輸入食料が多く入るようになったにも関わらず、国民全体の飲食の消費支出は約80兆円と変動せず、代わりに外食・中食が大きく増加。要は家庭で「料理をしなくなった」ということ。日々の食卓の食事のみならず、例えばお節料理。日本の歴史と食文化を色濃く映すこのお節料理を作る人たちが急激に減ってきているように感じます。こうした家庭での変化をはじめとする、食文化の継承が危ぶまれる状況がもっと問題視されるべきです。
ここ数年私たち夫婦にとって身近で大切な人の死が続き、辛く悲しい現実に向かい合うこととなりました。中には「健康」のためにと過度に取り組んだことが逆に命を縮める結果になったと思われるケースも。本質が何かを踏まえて取り組んでいれば、と悔やまれて仕方がありません。こうした悲しみもまた、私たち夫婦に「健康」ということに目を向けさせてくれたのかもしれません。「健康」を考える時、人が目に見えるものだけでなく「目に見えない」多くの微生物(酵素・菌)の働きや様々な仕組みに支えて貰っていることに気付かされます。
(つづく)
木原 茂明