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ゲストのコラム
「食の在り方 (第二話)」

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2011年8月2日

〜 1円でも安く? 〜

 「日々の仕事への誇り、、」自分自身の仕事を振り返られた読者の方々、この一週間は如何でしたか?「子供たちに見せる(魅せる)んだったら、ここをこう変えたらいいかもしれない!」仕事中にそんな風に考えられた方も居られるかもしれませんね。そうした第三者的な視線を意識することが牛さんを良くすることにきっと繋がって行き、経営も改善へ。つい漫然としがちな日々の仕事。ちょっとしたきっかけ、少しの意識で変わる(変える)。そんなサイクルを目指したいですね。

 さて私たち夫婦は結婚後10年が過ぎました。子供を授かる前の私たち。広告チラシを精読のうえスーパー(店舗)巡りをして1円でも安い食料を買い、単純に食費を低く抑えるのがいいと盲信し、寧ろそれを自慢げにさえ感じる私たちがそこには居ました。それが生産者に負担をかけているとは浅はかだった私たちには当時露も意識できませんでした。ところが授かった子供たちにアトピーやアレルギー、喘息といった症状が出始めるや否やすっかり悩める子羊へと生まれ変わりました。「食」に関わる生産や加工、流通等について学ぶために積極的に動き回るようになりました。自らが確りとその目を見開き、求めれば求めるだけ、当初想像もしなかった(知りたくない)「現実」を目の当たりにしました。と同時に、私たち夫婦が続けてきた消費行動が、生産者への負担掛けを確りと支えて(助長して)きたことも併せ認知することに。自らに自らの問題点を突きつけることになったのです。

 子供たちの症状については、私たちが「食」について必死に学び掴んできた多くのことを時間をかけて試行錯誤した結果、自然環境のよい北海道に移り住んだこともあってか、徐々に改善し、今では気にならない位に改善しました。これは私たち夫婦にとってとても有り難いことでした。そうした過程で感じ、結果として私たちが学びとった本質は極々「シンプル」で、それらの鍵は、「新しい(先進)」ではなく、寧ろ「古い(歴史・伝統)」に在ったということ。そして私たちは、元々の夢でもありましたが、最終的に自らが北海道で生産者になる、という最終決心をするに至りました。

 以上、今回は私たちの実体験について綴ってきましたが、読者の皆さんは「食の在り方」とはどうあるべきだと考えますか?
(つづく)

 木原 茂明

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