− 第3話 −
スマートスーツの開発コンセプトは、作業や動作によって身体にかかる負担や疲労を軽減し、「楽しく」そして「楽」に「人の手」による仕事を大切にする、「人」中心のアシスト技術です。
さまざまな仕事が機械化され、ロボット化が進むなか、人だからできる仕事、人の手のぬくもりが必要な仕事は少なくありません。農業分野にも思い当たる仕事はたくさんあると思います。そのような仕事は、人々の生きがいとなり、日々の生活の糧となりまが、年齢とともに衰える体力で離職せざるを得ない人が増えています。人の手による仕事の労力や人の疲労を軽くし、いつまでも生きがいをもって働き、楽しく暮らせる社会を支える技術、これを私たちは「軽労化技術」といっています。
これまで労働支援技術は、”人がいなくてもできるようにする「自動化」”、”人ができないことをできるようにする「増力化」”と見た目には進化したように見えました。しかし、その技術開発の進化は人と人との距離、こころの通う思いやりのある仕事とは距離を置く結果に向かっているように思えます。人が働くことと人生の本質を見つけようと思った結果「軽労化」のコンセプトが生まれました。
日本は世界でも類をみない超高齢化社会に向かっています。これからの医療技術の発達によって日本人はさらに長寿になり、お年寄りは増えるでしょう。一方で出生率の低下から若い労働者が減少していきます。日本は、2005年をターニングポイントとして日本は人口減少時代に突入しました。戦争や疫病以外で人口が減るというのは人類としてははじめての経験だそうです。日本は人類がまだ見たことのない未来をはじめて経験するのです。まさにこれまでの常識が通用しないパラダイム・シフトです。価値観の大きな転換が起きています。技術の進化や社会のあり方などのベクトルも方向転換が求められている時だと思います。
今は一度、立ち止まり、進むべき道の方向を思い切って変えるときかもしれません。でも、「本質」は変わることはありません。今、求められているのは「本質を見極める能力」ではないでしょうか。
(つづく)
【お知らせ】
4月14(木)〜16日(土)にインテックス大阪で開催されるバリアフリー展2011にスマートスーツ・ライトを独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ブースで展示します。
詳細はこちらへ
→ http://www.itp.gr.jp/bf/
株式会社リープス 鈴木 善人
http://www.leaps.jp/