2017年10月25日 稲刈りがいたるところで始まり、そして終わっていきます。 牛飼いさんたちにとって身近な解熱鎮痛剤といえば、やはり「デキサメサゾン」ではないでしょうか。よく使われるので「デキサ」と呼ばれる方も多いです。やっと薬の名前がでてきました(笑) デキサメサゾンは「ステロイド剤」とも言われます。ステロイドとは体内で合成されるホルモン物質をさすここもあるのですが、薬箱に入っているデキサの取り扱い説明書を改めて見てみてください。「合成副腎皮質ホルモン剤」と書いてあります。 つまり、この薬は人工的につくられたホルモン剤ということになります。 では、なぜ熱が上がった牛さんやアレルギー反応などでまぶたなどが腫れた牛さんにデキサを使うと症状は改善するのでしょうか。 細胞膜の成分であるリン脂質に作用する酵素「ホスホリパーセA2」のはたらきを止めてしまう。つまり炎症につながるおおもとの物質「アラキドン酸」そのものが作られないようにしてくれるわけです。 そうなると・・・ というわけで熱はさがるし、痛みはとれるし、さっきまでしんどそうにしていた牛さんもみるみるうちに元気を取り戻してくれる!というわけなのです。 つづく 前の記事 第157話「身近な解熱鎮痛剤③」 | 次の記事 第159話「身近な解熱鎮痛剤⑤」 |