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第157話「身近な解熱鎮痛剤③」 |
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2017年10月18日
昨年の休日前夜:「明日休みだ!うひょー!!今夜は眠れないぞー!まだ10時だよ。テレビ見る?映画見る?どっかいく???どーしよー♪」
今年の休日前夜:「もう10時かー。眠いなー。ねるかー。」
30歳になりました。こういうところからおじさんになっていくのでしょうか(恐怖)。
がんばります!
痛みや熱をもたらすカスケード
「アラキドン酸カスケード」ということばがあります。
カスケードとは英語でcascade。「連なった小さな滝」が原意です。公園でよく見る階段状の噴水のイメージですね。解熱鎮痛剤を考える上で、語らずにはいられない重要なワードになります。
私たちが「痛みを感じる」、「熱がでた」といったしんどい状況に陥ったとき、このアラキドン酸がもとでそれらが引き起こされています。

アラキドン酸から始まり、下流にそそぐように炎症性物質が作られていく反応の形式からカスケードと名付けられたのです。
とはいってもアラキドン酸自身が炎症を引き起すわけではありません。
実はアラキドン酸っていうのは細胞膜をつくるもとにもなる、体にはかなり必要な脂肪酸のひとつ。本当の炎症の原因は「ホスホリパーゼA2」や「シクロオキシゲナーゼ(英語表記を略してCOX:コックスと呼ばれることもあります)」という酵素。この酵素のはたらきによってアラキドン酸がいろいろな物質へと形をかえていき、最終的には「痛い!」「熱っぽい!」といった反応を引き起こしてしまうのです。

では、このカスケードを止めてしまえば炎症は起こらないのでしょうか。
そのとおりです!
つづく
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