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笹崎直哉のコラム
繁殖母牛の栄養管理について ~お産前の糞チェック~

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2017年10月10日

 皆様お疲れ様です。お母さん牛の妊娠期間で、分娩予定日より60日前からの飼養管理はとても重要ですよね。胎子もグングンと大きくなっていく時期でありますし、おっぱいの生産に備えて乳腺も発達していきます。無事お産が終わっても、その後の初回発情から始まる発情サイクルなど、いろいろなことに繋がります。

 しかしながら飼槽に沢山エサを準備したのに「ここ最近少ししか食べてくれないな」ということはありませんか?心配になって獣医さんに診てもらっても異常なところがなく手の施しようがないときはありますか?

 実は分娩前の時期というのは胎子が大きくなることで、当然のように妊娠子宮も大きくなるので第一胃(ルーメン)を圧迫し圧力がかかることでお母さん牛に負担がかかり、食欲が落ちてしまうなんてことが考えられます。私の今までの経験だと初産牛でこういった傾向があるな~とつくづく感じています。そんなときは糞便のチェックをしてみてください。糞便量のチェックも重要ですが、糞の状態が毎日違う牛さんは要注意ですよ。軟便のときは濃厚飼料を選んで食べていて消化スピードが上がっているときを表しています。逆にカチカチの便のときは、粗飼料ばかりに目がいって食べてしまいがちであったり、水か十分な量を飲めていない牛さんを表しています。そんな時は少しコスト的に高くなってしまうかもしれませんが牛さんが「おお!!これだったら食べたい!」とか「食べてみたいな!」というエサを先ほど伝えたうんちの状態に応じて準備していてはいかがでしょうか?
良質のチモシーを飼槽に入れてみたり、濃厚飼料であれば育成飼料やバカス、、、etcを入れてあげて食欲増進するか否か、、、分娩前は本当に大事なじきなので少しでもVIP対応で管理してみるのもよいのではないかとつくづく感じる笹崎でした。

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