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笹崎直哉のコラム
繁殖母牛の栄養管理について ~体のかたちで感じたこと~

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2017年10月3日

 皆様お疲れ様です。生産農家さんでお母さん牛の身体を見て感じるのは「繁殖に使われている牛さんの理想的な体型ってどんなものなのだろう」ということです。ある年配の農家さんに、繁殖素牛として牛さんを育てていくとき、どこに注目していきますかと聞いてみたところ「肩」や「尻」の形、大きさに気をつけている、という答えが返ってきました。もっと詳しく聞いてみると「肩」に関しては「肩やその周りの骨のフレームがしっかりしていて、大きい」牛さんは10産を超えるお産を経験したベテランの牛さんに共通しているとのことでした。「尻」に関しては「骨盤の大きさや広さ」を反映しており「腰角~坐骨までが長く、幅広い」牛さんは産道が大きく、分娩時に産道が広いため難産になりにくいとの話を聞くことができました。やはり結論としては骨組みがしっかりとしている牛さんを育てておくことがベストであり、そういった牛さんが繁殖に向いているのだなあと感じました。

 系統など遺伝的な要因で先ほど述べた骨組みがしっかりした牛さんが育っていくかどうかを左右するかもしれませんが、飼養管理面で、特に育成期では粗飼料の品質がよくβカロテンの含有が多いものを食べている牛さんはのびのびとフレームのしっかりしたF1(交雑種)のような体型になりやすいですよね。改めて粗飼料の重要性を実感した今日この頃でした。

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