畜産システム研究所長・広島大学名誉教授 三谷克之輔
1.口蹄疫防疫体制の基本構想(検討中)
牧場で口蹄疫のウイルス検査ができる簡易迅速遺伝子検査法を導入し、現場で発熱症状等で診断の確定に迷う症状に出会えば検査し、陽性反応が確認されれば隔離、移動制限、消毒等の牧場内防疫体制に入り、中央での検査結果が陽性であれば、まず同居牛房の家畜を殺処分し、発生地域の地形、環境、気候状況を勘案して、ワクチン接種地区、移動禁止地区、搬出禁止地区を地域で決定する。また、牛房単位でウイルス検査(遺伝子検査・抗体検査)を実施し、陽性牛が出れば、牛房単位で状況によっては隣接牛房を含めて殺処分する。移動禁止地区のサーベイランスも行う。
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検証項目
1.家畜法定伝染病予防法と「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」は、
なぜ改正されず放置されたのか。
2.遺伝子検査と抗体検査はどのように実施されたのか。
分子疫学による感染経路の解明はなされているのか。
3.なぜワクチン接種を急がなかったのか。
また、なぜワクチン接種畜を殺処分したのか。
4.口蹄疫の発生の疑いを届けなかった牧場は処罰の対象にならないのか。
また、当牧場には補償金の支払いよりも罰金の支払いを求めるべきではな
いか。
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政府への要望事項
1.口蹄疫ウイルスの侵入経路の解明を分子疫学調査とアジア防疫体制の整備
2.ウイルス遺伝子の簡易迅速検査法の導入を
3.疑似患畜全殺処分の廃止を
患畜と疑似患畜の曖昧な定義の是正
現場でのウイルス遺伝子の簡易迅速検査法と畜房単位の殺処分
4.緊急ワクチンの合理的な使用を
口蹄疫対策民間ネット
宮崎口蹄疫の防疫対策を検証し、新しい防疫体制の構築に参加するための民間ネット
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