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ゲストのコラム
「牛から視たエサの話−43 「農業とセラピー」」

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2010年8月24日

 今取り組んでいる(←正確には巻き込まれてしまった)ものに「里山プロジェクト」があります。これは、里山を豊かにするために異種業の人達と取り組んでいるものでそれぞれのアイディアを持ち寄って新しい産業(6次産業化)を起こせないかと考えています。その中で、ある大学の取り組みの中で面白いものがありました。

 それは、最近患者が急増している「うつ病」についてのことで、その研究ではうつ病患者を毎日畑の農作業を行わせると、治癒率100%になるということです。これは、森林浴の場合の異なりグリーンセラピー効果の1つと呼ばれているものですが、従来はただ緑の環境に体を置くことでしたが、この結果はただ緑に親しむのではなく、畑のような環境で身体を動かことにより改善効果が高いということです。アニマルセラピーについては、すでに多くの事例がありいろいろな効果が実証されているので動物のふれあいが、癒しになることもわかっていますのでこれらを組み合わせた環境を作り出せるのが、「里山」ではないかという考え方です。もともと日本人は、農耕民族で牛や馬との共存により生活をしていた歴史があります。そこで、グリーンセラピーとアニマルセラピーを組み合わせた環境を作り、新たな事業にならないかという提案です。

 実は、このような環境は「牧場」であれば比較的簡単に作れることではないでしょうか?但し、地域の環境の中に病院などの医療体制が整っていることも条件ですが、周辺の体制が整えば、高齢者や定年退職者の受け入れ環境になると思います。以前にこのコラムで、牧場を学校にということを書きましたが、学校と病院を合わせたものが作れるかもしれません。これらを「ファーミングセラピー」(仮称の造語ですが?)として確立したいものです。

 相変わらず変なことばかりやっていますが、このような取り組みも今までとは違った地域活性化が出来るかもしれませんかね?

(著:東京都 村田六蔵)

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