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第479話:何処に注目? その6 |
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2017年7月28日
あまり言いたくはないのですが、最近すさまじく時間の流れが速いです。もう、ビュンビュン時間が過ぎていきます。日記を見るとつい先日のことかと思っていたことが、一年過ぎていました。毎日の時間を無駄にせず、大事にしたいと思います。
何処に注目?というタイトルで駄文を書き連ねてきましたが、最後にもう一つだけ書いてみようと思います。この最後のひとつは今後色々と注目していくときに、心の片隅に置いといてもらいたいことです。ちょっと漠然としていますが紹介してみましょう。
「 大事なものは目に見えない 」
確かこのセリフはサン・テグジュペリの書いた「星の王子様」にでてくるキツネが言った言葉だったような気がします。世の中の流れ、景気、人間の心、神様など実は大事なものは目に見えません。何とか私たちは色々と検査したり数値化したりしてこれらの目に見えないものを見えるようにしようと努力していますが、なかなか難しいものがあります。
牛さんの管理や治療でも実は大事なものは目に見えないです。一番小生が目に見えたらいいのにな~~~と思っているのが、牛さんの感じているストレス。いくらストレスを与えないように飼養管理を徹底しましょうといっても、この牛さんが感じているストレスを具体的に目に見える形で把握することは非常に難しいです。ストレスという言葉を小生もよく使うのですが、では具体的に何がストレスであり、そのストレスのレベルはどのくらいであるかという話になると悩みます。今までの経験上、牛さんがストレスを感じているだろうなと感じることは多々あります。本当にしょっちゅうです。しかし、これはあくまでも小生の主観であって、彼らがどのように感じているかは不明です。別にストレスを感じていないかもしれませんし、意外なことでストレスを感じているかもしれません。
今まで色々と注目するポイントについて説明してきましたが、飼養管理をしたり、診療をしたりするうえで非常に重要な点は、この「たとえ目に見えなくても、見えないものを見ようとする努力をあきらめずに続けること」につきると思います。大事なものは、ほとんど目に見えません。しかし、ちょっとでもヒントがあればそこから想像力を膨らませて見えない問題の本質を見つけ出し、一歩ずつ前進していく。人間の心も見えませんが、ほんのちょっとした仕草で「何だか疲れているようだな~」とわかったりするように、牛さんのちょっとしたしぐさや雰囲気を感じとれるような感性をもって色々なところに注目出来たらいいですね。なかなか難しいことですが、大事なことだと思います。
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