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蓮沼浩のコラム
第480話:維持審査

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2017年8月3日

 今少しずつ肉用牛の世界では農場HACCPが広がってきています。そんな中でシェパードが担当する1件の農場で、今回維持審査というものが行われました。この維持審査というものは農場HACCP認証農場が次回の更新前に実施する中間審査になります。とにかく農場HACCPを始めたころは本当によくわかっていないことが多く、指導員の先生と牧場スタッフのみんなで試行錯誤の連続でした。現場と書類のギャップに悩み、農場HACCPの意義に悩み、現場スタッフとの認識のズレに悩み、まったく前進せず、逆に後退しているような状況に悩み、何度も悩み続けて肉用牛の認証をしていただくまでにほぼ3年の月日が経っています。そして、今回は認証を取得してから2年目の審査になります。

 今回は初回審査に続き、2度目の審査員の先生による審査になります。主任審査員の先生と他2名の先生がこられて、細かい書類についての確認や、書類の不備等の指摘等が次々に行われていきます。これらの指摘に対して牧場側もたくさんの書類を準備して答えていきます。事務所の中は書類だらけになり、頭の中がフル回転。このような対話をしていく中で、色々と今後改善していくことがまた見えてきました。大変なのですが、やはり第三者の方が牧場に入って色々と意見を言っていただくということは、非常にありがたいことだなと改めて思いました。関係者の方々には感謝の言葉しかありません。

 今農場HACCPに取り組んでいる方の中には、多くの悩みを持っている方もいるかと思います。小生からのひとつのアドバイスは・・・・

 「とにかく不完全でいいので、何が何でも継続する」

 こんなことを言ったら怒られそうですが、もう現場が「何じゃこりゃ???」の状態でも、とにかく意地でも継続。完璧を求めると大変なことになります(CCPは除く)。悩んだり、疑問を感じたりすると確実に停止します。どんな状況でもとにかく前進していくと不思議と何とかなっていくものです。牧場も5年前の最初のころと比べると天と地の差があります。そして全体の意識も少しずつ変わってきます。世の中の雰囲気も何となく変わってきました。色々ありすぎて最近頭がパンク気味ですが、「継続は力なり」という言葉をしみじみ感じます。今回は何だか妙に「悩」という字が多いな~(笑)。

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