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松本大策のコラム
暑くて死ぬ〜!(熱射病の牛さんを護る1つの提案)

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2017年7月27日

 暑い! 暑すぎるぞーっ! というか、年々暑さが厳しくなっているように思うのは、僕が歳取ったから?違いますよね、きっと。だって北海道で35℃とか群馬で37℃とか、やはり地球温暖化の影響でしょうか。僕も、農場巡回はタイベックの防護服(空気も通しません)にN95規格のマスクを二重にして装着し、ゴムのグローブを付けて、といった出で立ちなので夏場は本等に苦しいです。N95規格のマスクなんて、息で湿ってくると口にサランラップを巻いてるような感じで息も出来なくなります。今年すでに2回熱中症になりました。

 僕の話はいいのですが、全国の農場からも「牛がばててる」とか「呼吸が速くて苦しそう」とか「食欲がない」といった相談をお受けしています。リカバリーMやビタミンE注とパンカル注+ビタミンADE剤(ゼノビタン、ビタレラなど)の処置で食欲が戻る場合はいいのですが、重曹注とアリナミンなどを点滴してやらないといけないケースや、重曹を含む鉱塩アルカリックスを置いてあげたり、パイン粕などのさほど発酵熱が上がらないで繊維分を増やすことの出来るものを給与したり、といろんな工夫をします。
 こうした内科的な処置以外にも、牛さんを涼しくするための対策も畜主さんと一緒に考えます。スレート屋根を石灰乳でコーティングしたり、屋根にスプリンクラーを付けたり、細霧装置(ミスト)を設置したり、ファンの数と風の方向性を考えたり、といろんな工夫をしてきました。

 しかし、ここ数年暑い!暑すぎます!ということで、牛さんが保たないようなケースに新しい対策を考えました。その新兵器の名は、『スポットクーラー』!(先日コンサル先の中植牧場さんとこの話をしていたのですが、中植さんもFaceBookに情報を掲載されていましたね!)

那覇の空港で飛行機に乗り降りするボーディングブリッジに一台おいてあって、それでブリッジ全体が冷えていました。
このスポットクーラーにビニールダクトを付けて、牛さんの個別の部屋ごとにダクトに穴を開けてやれば、何部屋か涼しくなるはずです(夏バテ大敵の若牛のコンサル先荷も勧めていますし、栃木のコンサル先で導入して実証中する予定です)。

さてそのお値段は?というと、Amazonとかで買うと3~5万円程度でいろいろありますし、

ビニールダクトに至っては、数百円からあります。

https://www.monotaro.com/g/01271595/?displayId=24(通販サイトMonotaRO)。
あ、これアフィリエイトとかじゃないからね。1円ももらってないですよ(笑)。

この暑い夏に、なかなか対応できない牛さんがいたら、みなさんも是非試してみませんか?

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