みなさんこんにちは。和歌山から、黒沢牧場の嫁舞子です。以前もゲストコラムであれこれ書かせていただいたのですが、また戻ってきちゃいました(・∀・)エヘ☆
口蹄疫のせいで、宮崎はもとより、日本の畜産界全体に激震が走っている今、いったい何を…と悩んだのですが、今回のコラムは「プラズマキッチン便り」と題して、楽しい「食」の話題をしたいと思っています。
第1回は私の個人的な話ばかりになりそうで恐縮なのですが、最近、食について以前よりも興味をもつようになりました。きっかけは、今妊娠していること。今年のはじめは、つわり絶賛進行中、とにかく「何も食べたくない」、「作りたくない」、「食べてもおいしくない」のないないづくし3連続コンボに襲われフラフラでした。もともと嫁舞子は、そんなにグルメなほうでも、料理好きでもなく、ファミレスのハンバーグでも合成だしの素でも、なんでもおいしく感じるというこだわりのない舌の持ち主。食に対する情熱も執着もほぼないに等しいと思っていたのです。でも、あの砂を噛むような3か月間の味気なさと言ったら!「なにもおいしく感じない」日々は予想以上に無味乾燥で、体よりもむしろ心の活力を奪って心身にこたえるものでした。
その後、安定期に入って、少しずつ食べ物が美味しく感じられるようになると、食に対しての姿勢が変わりました。あるもので適当に作る日の割合が少し減って、だしパックででもだしをとるようになり、調味料を揃えたり、お味噌を吟味したり、ネットや本で調べた評判のレシピにチャレンジしたり。健康であるからこそ、おいしさも感じられるし、好きなものが食べられる。「今日は適当メニューでお腹がふくれればいいや」という食事だって、健康だからこそ「〜でいいや」と選べるのだなぁと、いまさらながら理解したのです。
何が起ころうとも、人間は食べないと生きていけません。忙しい時、悲しい時、病気の時でさえそうです。食事どころじゃない、何も喉を通らないと感じる時でも、とにかく食というものは、厳然と私たちの生活の心臓部を占めています。当たり前だけど、私たちは食べたもので生成され、動き、生きています。
そう考えると、キッチンを預かる役目の主婦は、ちょっと大げさかもしれないけれど、家族の体と健康、その体で生きていく家族みんなの人生を、作っているのかもしれない。家庭のキッチンには、美食グルメもジャンクフーズも食文化も栄養学も、食にまつわる様々な観点が溢れていて、それらと楽しく向き合っていければいいなと思います。
(つづく)
著:黒沢牧場 上芝舞子