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ゲストのコラム
「牛から視たエサの話−40 「ボディコンディションの落とし穴」」

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2010年5月18日

 最近、和牛繁殖母牛でも太りすぎは良くなくて、適切なボディコンディションを維持させることが大事ですと言われてきています。
 ボディコンディションは、太り具合をスコア—でつけていくのですが、スコア—がボディコンディションは、太り具合をスコア—でつけていくのですが、スコア—が「1」では大変に痩せている状態で、逆にスコア—が「5」では肥育牛のようにまるまると太った状態を表します。
 私達がこのボディコンディション技術を習得したのは、20年以上前の遥か昔のことです。この技術は、アメリカの酪農技術から生まれたもので、多分当時日本で初めて紹介されたと記憶(定かではないが?)しています。私は、当時この技術の指導普及に努めていた権威であった熊谷宏さんに指導を受ける機会があり約2年間いろいろと修行しました。そのような経緯があるので、久しぶりにボディコンディションスコア—について資料を見ると、少し驚きました。当時は、ボディコンディションの評価をするのに必ず「触診」することでしたが最近では、牛の肉付きを見た目だけでスコアリングするようになっていました。肉付きだけを判断するならそれでもよいのですが、大事なことが抜け落ちているのです。
 それは、牛に「触診」することでその牛に付着しているのが、「筋肉」なのか「脂肪」なのかを判断することです。特に「脂肪」の場合では「柔らかい(水っぽい)」かそうでないか重要なポイントになります。これは、「水っぽい脂肪」であれば皮下部分でそのようなタイプの脂肪が付着しているということは内臓にも同様に「水っぽい脂肪」が付いているので、いわゆる「体の締まり」がなく「ゆるい状態」になっているということです。「ゆるい」といろいろな問題が生じてきます
 さあー牛舎に行って牛を触ってみて下さい!

(著:東京都 村田六蔵)

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