(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第139話「困ったときのリカバリー Episode ⑥-リカバリー成分編②-」

コラム一覧に戻る

2017年6月7日

ビタミンB群が活躍するメインの臓器といえば肝臓です。
肝臓といえば「エネルギーの産生工場」ですよね。
肝細胞がTCA回路というラインをぐるぐると回しながら、私たちが生きていく上で必要になるエネルギーのもと(ATPと呼ばれます)を生み出してくれます。
そのラインを回していくために、ビタミンB群が必要になってくるのです。何種類ものビタミンBが協力しながら作用してくれています。


(ビタミンB群がかかわる代謝系であるTCA回路。『オックスフォードード生理学 原書2版』より抜粋。)
この回路を効率よく動かすために必要なビタミンB群がリカバリーMにはたっぷりと含まれていることが分かります。

その他にも、各ビタミンにはこんなはたらきもあります。

ビタミンB1(チアミン):神経のはたらきを安定化させる
→食欲の落ちた牛さんに投与すると消化管を動かす神経が活性化されて食欲が復活することがあります。臨床の現場でもよくお世話になるお薬です。

ビタミンB2(リボフラビン):細胞の代謝を促進する
→細胞分裂を促すので成長促進が期待できます。皮膚・粘膜の状態を安定させる作用もあります。

ビタミンB3(ニコチン酸、ナイアシンとも言われます)
→代謝促進のほかに、毛細血管を広げる作用があり、血行促進が期待されます。

ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)
→赤血球が正常に分裂・増殖していくために不可欠です。これが不足すると、粗悪な赤血球が増えていき、貧血になってしまいます。
…etc.

と、いろいろな作用はあるものの、基本的には「代謝を促進して元気100倍!」にさせる効能がメインになります。

|