〜 「サイ終回」 〜
9月からお送りしていました「こんにちは!こちら金沢動物園です!」もいよいよ今回で最終回。最後を締めくくる動物は、インドサイです。
インドサイは角が一本のサイです。ひだのある鎧のような分厚い皮膚をもち、皮膚の表面にはイボのような隆起がいくつもあります。見た目が鎧を着ているように見えることから別名「ヨロイサイ」とも呼ばれています。体長は最大で410cm、体重は2000kg、角は60cmにもなります。上唇はとがっており、主食である木の葉や枝をつかむのに適した形をしています。
金沢動物園では、オスのキンタロウとメスのゴポンを飼育していますが、8月15日にオスの赤ちゃんが産まれました。インドサイの妊娠期間は459〜496日と幅があります。今回の妊娠期間は471日でしたが、出産時期が近づくと毎日がドキドキ!今日産まれる?明日?1週間後?でも、サイが言葉で状態を教えてくれるわけではありません。ですから、夜間の過ごし方をビデオで見たり、身体の見た目の変化、日中の行動、食欲などを観察したりすることで読み取る他はありません。出産当日は朝から落ち着きがなく、採食もまばら・・・しかも、乳首からは少し乳汁が出ていました。そんなメスの状態を察してか、オスも朝から落ち着きがありませんでした。
現在、赤ちゃんはお母さんのミルクを飲んで元気に成長しています。まだ角は生えていませんが、産まれた時からすでに大人と同じく鎧を身にまとっているような姿・・・ちょこまかとお母さんの後をついて歩く光景は本当に可愛らしいです。
色々な姿、色々な暮らしを持つ野生動物。
彼らのすむ世界を知れば知るほど、その面白さやすごさに、気付かれることと思います。動物園は、決して小さなお子様がいなくては行けない場所ではありません。ぜひ、ちょっと気ままに動物園をブラブラとご覧いただければと思います。
皆さんのお越しを心からお待ち申し上げております。
(おわり)
著:金沢動物園 飼育展示係
笠原明子 ・ 高橋麻耶