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椎葉絢香のコラム
消毒の意識を変えよう!!⑥(成功例をもとに)

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2017年5月12日

 この農家さんは、以前は産まれて1週間で子を親から離すようにしていたのですが、下痢が大流行してからは、産まれて直ちに親から離していました。

 ある日、診療へ行くとちょうど子牛が産まれ親から離しているところを目にしたのですが………なんと子牛を抱きかかえて消毒槽につけようとしているではありませんか!!( ゚Д゚)

 聞くと…『子牛の足が床についちゃったからから、ハッチに行く前に足をオルソ剤で消毒しているのよ~先生~!』とのことでした。ここまで徹底しているとは!!さすがです(*^^*)

 ここで、皆さんに1つ注意点があります。前回も書きましたが、オルソ剤はコクシジウムにも効く消毒液で毒性がとても強いので、牛の生体の消毒は注意してくださいね!もちろん皮膚にかかってしまうと、脱毛や皮膚がただれたりなどの症状を引き起こすことがありますので、牛の足を消毒する際には通常より薄い濃度で蹄のみを消毒するのがいいと思います。

 以上、この農家さんがおこなったことをまとめますと…

 ①床の有機物除去・洗浄・乾燥・ドロマイト石灰の塗布
 ②ハッチのドロマイト石灰塗布
 ③オルソ剤での移動子牛の足の消毒

 です。

 最初に話しましたが、この農家さんで大発生したのはクリプトスポリジウムの感染による下痢です。実は、石灰消毒もオルソ剤の消毒もクリプトスポリジウムには大きな力を発揮しません。では、どうしてこの消毒方法で病気が激減したのでしょうか…。…つづく(´▽`*)

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