〜 キリンの好きなもの 嫌いなもの
「 アミメキリン 」 〜
金沢動物園では、アミメキリンを3頭飼育しています。オスの「ワンダー」(11歳)とメスの「ミルク」(4歳)と同じくメスの「キリリン」(3歳)です。それぞれとても特徴的なんですが、3頭ともに大好きなエサがあります。それは「木の葉」です。キリンは草食動物のなかでも「葉食獣」といって、おもに木の葉を食べる動物です。動物園では、人工飼料や野菜など、野生では食べられないおいしいものもたくさん与えているはずなんですが・・・やっぱりキリン!なんといっても木の葉のようなのです。
さて、木の葉・・・どうやって手に入れるかといいますと、公園などの枝を剪定している会社から2週に1回〜2回購入することはできるのですが、それだけではとても足りません。そこで、担当者は、よく木に登ります(笑)。やっぱり、お天道様にたくさん当たった、てっぺんの木の葉がおいしいに決まってますから、ひたすら登ります(笑)。汗だくです・・・。非常に大変で面倒くさい作業なんですが、おいしそうに木の葉を食べる姿を見ると、やめられない訳です…。
次に、3頭そろって嫌いなものですが、それは雨です。ミルクはまあ、なんとか納得してくれるのですが、ワンダーとキリリンは、大雨の日に外へ出ません・・・。なんとか外へ出したとしても、じっとしている方が安全だと思っているのか、途方にくれているのか、動かないのです!その徹底っぷりといったら、夕方に寝室にも帰ってこないほどです!!じっと身動きせず、ひたすら雨にうたれているのです。
こんなに雨が嫌いな個体は、もしかしたら、金沢動物園のキリンたちだけかもしれませんが、雨宿りの仕方や立ち姿など、やはり三者三様で観察していて面白いものです。
・・・そういえば、そんなアミメキリンもウシと同じ反芻動物の仲間です!首の長いキリンでは、飲み込んだ食物をもう一度口に戻す噛み戻し行動が観察し易く面白いですよ。まるでエレベーターのように行ったり来たりします。
(つづく)
著:金沢動物園 飼育展示係 山田 晃代