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金沢動物園では2頭のインドゾウを飼育しています。 オスの「ボン」は32歳(10月で33歳になります)。牙が長く、約2mもあります。日本最長かもしれません。メスの「ヨーコ」は31歳。飼育員にとても従順で、イベントでも大活躍しています。 ゾウは大きく分けて、2種類に分けられます。アフリカに住むアフリカゾウと、アジアに住むアジアゾウです。アジアゾウは生息地によって4亜種に分けられていて、南インドから中国南部、ネパール、東南アジア等の大陸部に生息するゾウをインドゾウとしています。現存種は2種類ですが、化石種も合わせると約160種ものゾウの仲間がいたそうです。 ご存知の通りゾウはとても大きな動物で、金沢動物園のゾウの体重はオスの「ボン」で約5950kg、メスの「ヨーコ」で約3900kgもあります。雌のホルスタイン(乳牛)8〜10頭分くらいでしょうか。 大きいだけに、餌もたくさん食べます。動物園では乾草を中心に、稲わら、サツマイモ、ニンジン、季節によって、青草や木の葉、タケノコなどを与えています。 この時期の1日の給餌量の合計は「ボン」で約140kg、「ヨーコ」で約90kgです。すべてを生の草にすると1日に約200〜300kgもの草を必要とします。とても大食いに思われますが、実際は体重の5%ほどでしかなく、小型のネズミが体重の40%くらい食べているのに比べるとずっと小食です。 ゾウはウシやキリンのように反芻はしません。消化があまり得意ではなく、食べた草は半分以上そのまま糞となって出てきます。もし、反芻ができて消化効率が良ければ、とても燃費の良い動物になっていたかもしれません。 ちなみに、1日の糞の量は約120〜130kg程です。 この度は、簡単に食事のことを紹介させていただきましたが、ゾウはそのほかにも長〜い鼻、大きな耳や頭、丸太のような足などなど、不思議で面白い秘密をたくさんもっています。 ぜひ、動物園でゾウの秘密を探ってみてくださいね!
(つづく) 著:金沢動物園 飼育展示係 先崎 優 |