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戸田克樹のコラム
第134話「困ったときのリカバリー Episode ②-検査結果編-」

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2017年4月26日

血液検査で得られた結果の一部を抜粋したものがこちら↓

気になるのは赤字にしたASTとγ‐GTの2つでした。
正直、数値を見てあ然としたのを覚えています。「どうしよう…。」と思ったほどでした。

ASTとγ-GTの2つは肝臓の健康状態を教えてくれる検査項目です。

ASTは肝細胞の中に含まれているタンパク分解酵素のひとつ。
健康な肝細胞から血液中に出てくることはありません。
つまり、「数値が上がる=肝細胞が壊れている」ということを教えてくれます。

また、γ‐GTは胆管(肝臓のすぐそばにある胆のうから十二指腸に続く管)の上皮細胞に含まれているタンパク分解酵素のです。
こちらも「数値が上がる=胆管の上皮細胞が壊れている」ということになります。

教科書的な血液検査基準値一覧を見てみると、
ASTは45~110 (U/L)
γ-GTは11~25 (U/L)
(文永堂出版 獣医内科学 大動物編参照)
と記載されています。
今回の数値がいかに高いかは、この基準値を見ても明らかです。

こうして、戸田は「どうしよう…。肝臓が非常に大きなダメージを受けているのは間違いない。食欲が止まってしまうほどのダメージ。検査数値も非常に悪い。どうしよう…。」
と一気に不安になったのです。

つづく

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