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戸田克樹のコラム
第132話「ダストフィーバー」

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2017年4月12日

連日の雨天に悩まされています。
昨日とある農家さんでぬかるみにはまり、ローダーで救い出してもらいました。
前進もバックもできず久しぶりに焦りました。ありがたいことです(泣)。

先日、とある農家さんでカゼが突然多発しました。
「咳をする牛がいる」との連絡を受けて農場に向かうと、たしかにいろいろなところから「ケホっ!」「エホっ!!」とせき込む声が聞こえます。農家さんが捕まえてくれた牛はいずれも40度を超える熱発と元気もない状態でした。

幸いにもどの牛も肺音はなく、当日は抗生剤と解熱剤を投与しました。

でも、どうしてこんなにたくさんの牛が一気に調子を崩したのでしょうか。

牛が走ったときにあるものがフワっと舞い上がりました。
おがくずです。よく見ると、きれいな色をした乾燥おがくずが部屋一面にまかれていました。
床替えをしたばかりだったのです。

乾燥したおがくずは牛が走れば簡単に舞い上がります。
きれいなおがくずに興奮した牛(とくに子牛)ははしゃいで走り回り、時にはおがくずに鼻から突撃していくこともあります。
自然と鼻息も荒くなってしまうので、こまかいおがくずを思いっきり吸い込んでしまうこともあるのです。

床をきれいにすることも非常に大切なのですが、こうした事故を招いてしまうこともしばしば…。

牛床を替えて新しいおがくずをまくときは、「床半面だけ替える」、「消毒液などである程度湿らせてからまく」といった対策をとりましょう。それだけで、こうしたケースは防ぐことができます。

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