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椎葉絢香のコラム
消毒の意識を変えよう!!②(成功例をもとに)

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2017年4月6日

 抗生剤が効かないクリプトスポリジウムやウイルスにはどう戦えばいいのか…。

 ①免疫の強い子牛をつくること。②床替えや消毒などで、実際の見えない病原体を殺し、牛に触れさせないこと。の2つが言われています。

 ①については、母牛の分娩前2ヶ月前の増し餌やワクチンをうまく組み合わせることで、『産まれてくる時点で強く丈夫な子牛』をつくることができます。

 ②については、床替えや消毒をやっている農家さんでも実は効果がほとんどない場合があります。それは、有機物があると消毒効果がものすごく落ちてしまうからです。(/ω\)この有機物とは火をつけると燃えるもの………つまり、糞便・ノコクズなどの汚れです。なので、消毒する時は、全ての汚れを落とさなければ、消毒薬が100の力を発揮できません。
 
 今回成功例で上げている農家さんも、今まではローダーで堆肥を出し、石灰をまくという消毒をおこなっていました。しかし、消毒後もクリプトスポリジウムが検出されるため、この消毒ではいけない、と次のような消毒方法に変えました。

まず、有機物の欠片もないほどの徹底した除糞と洗浄を行いました。

 養豚場や鶏舎ではほとんどがこの消毒を行っています。豚や鶏などは、出荷するまでの期間が短いため部屋間の移動がなく、一度産まれたら出荷するまでその部屋で過ごさせるというやり方(これを“オールイン・オールアウト方式”と言います)なので、このような消毒がやりやすいのです。しかし、牛は一度に全員が産むわけではなく、一頭一頭の入れ替わりが激しいので、なかなかこのような消毒方法が実施できないのです。………つづく(´▽`*)

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