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松本大策のコラム
シェパードの処置マニュアルはそのままで使ってください

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2017年4月3日

 皆さん、55歳になっても成長しない松本です。そういえば、小学校の頃から通知表に「松本君は独自の正義感を持っていて、他の人に迷惑をかけます」って書かれていましたね。

 ところで、今日は治療のお話です。シェパードでは、様々な治療マニュアルを公開していますし、相談にお答えする形で、いろいろな治療の指示をしています。しかし、これを独自の解釈で変更して使う方が結構いるようです。試行錯誤をなさるのは、前向きでとてもよいことなのですが、シェパードでも、マニュアル公開の際は、様々な試行錯誤の上で、最も効果的だと思われたものを公開しています。そして、その試行錯誤だけは誰よりも多いと信じています。実際、それで効果がないとシェパードの信用が低下するのですから。
 ですから、シェパードのマニュアル、として使う場合には、変更を加えないでください。自己責任であればかまわないのですが、勝手に変更を加えた処置をして「松本のやり方は治らない」と言われたら、僕も腹が立ちます。

 一例を挙げると、僕が「骨軟症」と呼んでいる一連の病気(骨軟骨症、骨軟化症、骨粗鬆症など)に対する処置で、ビタミンDやビタミンADEの注射のみ実施して、ドン八ヶ岳シリーズの投与を怠っているケースがあります。ビタミンDの働きを誤解されている方が多いのですが、ビタミンDの効果というのは「血液中のカルシウムを一定(10mg/dl)に保つ」というものです。
 ですから、骨軟症のマニュアルで、基本通りドン八ヶ岳シリーズを給与すると、腸管内にカルシウムや亜鉛がたくさんあり、それを吸収して血液中の濃度を保ち、余ったものを骨や軟骨にくっつけて骨や軟骨を強化できるのです。(図1)
 ところがビタミン剤のみ注射して、ドン八ヶ岳シリーズを与えないと、腸管内のカルシウムや亜鉛が不足しているので、骨を溶かして血液中の濃度を維持しようとするのです。これでは治療どころか、かえって悪化させますよね。(図2)

 このように、シェパードで公開しているいろいろな治療の仕方は、お役に立ちたくて無償公開しているのですから、そのまま手を加えずにやっていただきたいのです。

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