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人間にとって幸せを感じることの一つに、「達成感」があります。マラソンを走りきったり山の頂上に立った時など、目標を達成した時に人は幸せを感じます。私も大変重要な仕事をやりとげた時には、充実感や爽快感を感じます(お祝いの打ち上げで飲み過ぎて、悲壮感に変わることもありましたが)。人間は目標があるとがんばれるものです。和牛バブルの時には、どんな子牛でも50万円で売れていた時がありましたが、そういった時にはなかなか努力をする気にはならなかったはずです。 厳しい今だからこそ目標を持って「カイゼン」に取組、目標を達成した時の「達成感」で喜びを感じましょう。そのことが経営改善につながり、5年後の子牛相場回復期には大きな所得として、跳ね返ってきます。「分娩間隔の短縮」や「子牛発育改善」「同じ繁殖頭数で生産頭数を増やす」など、具体的な目標を立てましょう。何も考えないで「カイゼン」は実現しません。 そして技術改善のためには、仲間を作りましょう。一人で悩んでいたら解決できないことでも、情報交換したり励まし合う仲間がいると違います。私の普及センターでは、和牛Primeセミナーと題して冬期間定期的な研修会を開催しています。正しい技術の研鑽や情報交換の場として、毎回20人位集まっています。 冬があるから春が来るのです。冬の時代を乗り切った人だけが、春の喜びを感じられると言えます。同じ乗り切るのであれば、仲間を作りお互い励まし合うことで、冬の厳しさも和らぐのではないでしょうか。将来のためにみんなで、「カイゼン」に取り組みましょう。
著:十勝農業改良普及センター十勝北部支所 出雲将之 |