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本州先進地域では既に取り組まれていることと思いますが、市場出荷前の削蹄やつなぎ運動、ブラッシングなどは購買者の気持ちから言って、是非取り組みたいことです。購買者などにさわられても、おどおどしないおとなしい牛にしておくことが重要です。大事な商品を出荷するのですから、ある程度の手入れが必要です。 肥育牛は増体の良いものでは、体重が1t近くにもなります。その体重を支える足のツメが変形していては身体を支えきれなくなったり、寝起きが大変になってエサ食いが悪くなることにもつながります(かため食いによるアシドーシスも心配です)。ツメが伸びすぎないよう削蹄してから市場出荷することが、購買者に喜ばれます。 つなぎ運動は、肩と耳の高さが水平になるよう顔を持ち上げる格好で、木枠などに頭絡(もくし)を結びつけておきます(写真)。これは人で言えば「気をつけ」の姿勢です。最初は10分から始め市場出荷前には2時間程度の立ち姿勢を保つようにします。こうすることで、落ち着きのあるしかも立ち姿勢の美しい子牛になります。 親牛まかせで育てられた子牛は、人になつきにくいものが中にいます。そういう時、人との親和性を高めるために、市場出荷1ヶ月前頃からつなぎ運動とあわせてブラッシングを行うことで、人に馴れて落ち着きのある子牛に出来ます。市場で購買者にさわられてびくつくようでは、買い手も考えてしまいますよね。
(つづく) 著:十勝農業改良普及センター十勝北部支所 出雲将之
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