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秘境の郷の牛飼いだより ~第16回~ |
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2017年2月17日
⑯ 椎葉の秘蜜
椎葉村には昔から日本ミツバチが飼われています。私も昭和60年から買い始めました。この日本ミツバチが、十年ほど前から全国的に注目されていて、今では、銀座のビルの屋上でも飼育されていて、東京の街路樹や皇居の桜等の蜜を集めているみたいです。
しかし、やっぱり蜂蜜は山の中のが最高ですよね。
今回から、日本ミツバチについてお話ししたいと思います。

皆さんが買って食べている蜂蜜には、2種類あるのを知っていますか?
西洋ミツバチが集めた蜂蜜と日本ミツバチが集めた蜂蜜です。でも日本ミツバチの蜂蜜はとても貴重で、ほとんど販売されていません。「アカシア蜜」とか「レンゲ蜜」とか特定の花の名前で販売されているのは、全部西洋ミツバチが集めた蜜なんですよ。
もちろん、西洋ミツバチも日本で飼われています。養蜂家と言われる人たちはほとんどが西洋ミツバチを飼育して、蜂蜜を絞り販売しています。
一方、日本ミツバチは昔から趣味的に買われているのが多く、蜜を集める能力も西洋ミツバチには遠く及びませんが、日本ミツバチが集めたのは、「百花蜜」とか「雑蜜」とかのネーミングで販売されていることがあります。


日本ミツバチと西洋ミツバチの違いは、蜜を集める能力の他に、蜜の集め方が根本的に違っています。畑に数種類の花が咲いていた場合には、西洋ミツバチは働きバチ全員が一番良い蜜を出している花に行って蜜を集め、その花に蜜がなくなったら、次の種類の花に行って蜜を集めます。だから、「アカシア蜜」とか「レンゲ蜜」が取れるんですね。
でも、日本ミツバチは、それぞれが違う花に行って、蜜を集めるので、いろんな花がブレンドされた蜜が取れます。だから、「百花蜜」とか「雑蜜」とか言われているんです。
特に山間部の日本ミツバチは、畑の花というより、樹木の花の蜜を好んで集めます。
椎葉には自然林が沢山あり、その色々な樹木から蜜を集めるので、「椎葉の秘蜜」と言う名前で高くで販売されいます。
(一升瓶で25,000円~30,000円もします( ̄▽ ̄;))

つづく
宮崎県椎葉村 椎葉 勇
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