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蓮沼浩のコラム
第461話:触診

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2017年2月9日

 「尿酸よさらば!我はアルカリ体質になる!」と一念発起して食卓に黒酢を置いています。とにかく料理という料理に黒酢をかけまくって食べています。え~~当然ですが、一生懸命料理を作ってくれた上さんからは大ブーイングです。

 前回は望診についてお話ししましたので、今回は触診について書いてみようと思います。この触診というのも、実は本当にたくさんの情報を私達に与えてくれます。触った時の固さや弾力、温度など、牛さんの体を触ると色々な感触があります。

例えば、体の一部が腫れている時。こんな時も触診が大事な役目を果たします。
直径15cmぐらいの腫れがある場合。まずはとにかく触ってみます。固いのか、柔らかいのか、内容物が入っているのか。腫れている場所はどこになるのか。押すと痛がるのか。体表にできている腫れなどは、慣れてくると場所の特定と大きさと触診でほぼ何が原因かわかります。

今度は牛さんの体を触った時の温度。これも重要です。特に冷たくなってきている時は要注意。「あれ???冷たい!!」と感じたときは様々な病気の末期症状のときもあります。もちろん、妙に熱くなっている時も注意が必要です。慎重に診察をする必要がありますね。

それからお腹を押したときの腹壁の固さなども大事です。疝痛が強い時など、結構腹壁が固くなり、押すと痛がる時もあります。このような時は腹膜炎なども考えられます。

思いつくままに書いてみましたが、他にも触診でわかることはたくさん、たくさんあります。直腸検査なども触診になりますね。やたらと検査に走りがちな小生ですが、牛さんを触りながら声をかけて、顔つきを見ながら診察をする。結構大事なことかなと思っています。なかなか難しい面もありますが、触診をしているとき、牛さんが痛がっているのか、何ともないのかなど的確にわかるようになれればいいなあと思う今日この頃です。

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