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蓮沼浩のコラム
第460話:望診

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2017年2月3日

シェパードで健康診断がありました。血液検査の結果が返ってきたので何気なく見ると・・・・尿酸値が高い!!!!

原因として考えられることは・・・・運動不足、暴飲暴食などなどと書いてあります。

運動は定期的にしているので、やはり原因は暴飲暴食が濃厚なり。
その中でも「暴飲」は最有力候補なり。

酒、やめるか・・・・って、出来るわけないだろ!!!

さてさてどうしたものか・・・。
 
 
 
 獣医さんの診療技術はいろいろあります。血管注射や筋肉注射、直腸検査はもちろんのこと、帝王切開や尿石症の手術などなど。そのような中で、小生が一番重要視している診療技術があります。大事な技術だといつも思っているのですが、意外とその重要性を認識している獣医さんが少ないようにも感じます。ではその技術とは何か。

「望診」です。ボウシンといいます。

牛舎に入ってから農家さんと一緒に話しながら病気の牛さんのところへ向かいます。そして、保定する前にその牛さんを何となく眺めるのです。小生はこの最初の一発目の雰囲気を感じることを重要視しています。うまく言えないのですが長い間この仕事で飯を食ってきていると、何となく色々なことを感じ取ることができるのです。この時にはもちろん牛さんだけでなく、飼槽の状態、敷料の状態、肌で感じる気温、水の状態、牛群の状態、そして農家さんの雰囲気などさまざまなものを「ぼさ~~~~っと見ながら」感じるのです。

すると時々嫌~~~~~~~~な予感がしたりする時があります。大概その嫌な予感は的中します。保定して診察する前に診断がつくこともよくあります。診察する時はちょっと極端かもしれませんが、望診で得られた情報をもとに、細かく診察しながら頭の中にあるイメージを確認していくという感じです。すると、時々「あれ??」と思うこともあります。望診の時に思っていた牛さんの状態と診察した時の状態が一致しない時です。こういう時は要注意。年には念を入れて積極的に検査をしたりするなど注意して診察します。忙しい時は望診する暇もなくひたすら走り回る時が多いと思います。でも、農家さんと話しながら牛さんを「ぼ~~~~~っと見る」時間は結構大事ですよ~~~。

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