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蓮沼浩のコラム
第459話:巨大ヘルニア

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2017年1月26日

 自分の馬鹿さ加減に、あきれ返って死にそうです。
かくすれば、かくなるものと 知りながら・・・・
飲み過ぎるなって、何遍言えばわかるんだ!この大馬鹿者!!!
 
 
 臍ヘルニアという病気があります。子牛のお臍の部分からお腹の中のものが少し出てきてしまう病気です。お腹の中のものがでてくるといっても、もちろん皮膚の内側の話しであり、外界に内臓が出てきてしまうわけではありません。大体このヘルニアの大きさは直径1cmぐらいから大きくても8cmぐらいのものが多いです。治療方法は色々とあります。バンドを巻いたり、少し大きいものは手術をしたりもします。軽症のものであればそのまま放置しても勝手になおります。
 
 で、今回小生は非常に大きなヘルニアに遭遇しました。とにかくすさまじく大きく、小生の手のひらが楽勝ですっぽりと収まるレベルです。普段の手術の場合は1日絶食させて、その後に腹壁を寄せて、ぎっちりと縛って固定する方法を行うのですが、さすがに今回は相手がデカすぎます。ぎっちりと寄せても腹壁が裂けて、ヘルニアが再脱出すると判断しました。

 どうしようか悩んだのですが、ここでふと思い出しました。そうだ、佐賀県の道竹先生が考案された吸収糸をネット状に編んだものをヘルニアに固定する方法があるではないか!今回の症例はあまりにもヘルニアが大きいので、さすがに吸収糸を用いてやる勇気がなかったのでナイロン糸を用いて実施しました。

 で、手術して1ヶ月。結果はというと、やはりネットなので重さがかかり、少し垂れ下がり気味です。少しテンションが弱かったかもしれません。何とかこのままの状態をキープしてくれればいいんだけどなあ。今後の状態をドキドキで見守りたいと思います。裂けないでくれよ~~~。

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