(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
「牛さんが創った自然空間 〜 斉藤牧場

コラム一覧に戻る

2009年1月20日

 前回お見せした写真は放牧地として拓(ひら)かれてから十数年?(数十年かな?)経った場所ですが、この写真は拓かれてからまだ数年(3〜4年?)しか経っていない所の様子です。
 アチコチに火入れした後の焼けた切り株などがまだ黒くなって残っているのが解りますよね?これもこのままにして何年かする内にだんだん腐食して、無くなってしまいます。また、笹や雑草もアチコチに見受けられますが、これらも牛さん達がしょっちゅう巡回?することによって全面が牧草地として進化してきます。
 牛さん達は雑草もエサとして食べちゃいます。牧草の生育スピードは雑草より速いので、牛さん達が食べれば食べるほど牧草が優勢種となっていつの間にか牧草地に変わってしまうということですね!芝生でもしょっちゅう芝刈り機で刈り込んでいると全面が綺麗な芝生になるんですが、刈り込みを怠けてほったらかしておくとアチコチに雑草が生えてきて、いつの間にか雑草園?になってしまうのと同じ理屈ですね!
 牛さん達は燃料のいらない、その上適度な肥料を供給してくれながら芝刈り機の役割をしてくれ、さらに牛乳まで提供してくれる…なんと“スーパーエコ”なんでしょう!
 だからといって、まだ成長過程?の放牧地に余りにも多くの牛さん達をしょっちゅう入れちゃうと草地自体が痛んじゃいますので、このあたりの牛さんを入れる頭数やタイミングは斉藤さんがそこの地形や草の様子を観察しながら(斉藤さんは自然と相談しながら…って言いますが)コントロールしています。
 やっぱり、自然を相手に生活している人達にとって“観察”って絶対欠かせないものなんですねっ!

(つづく)

|