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ゲストのコラム
「牛さんが創った自然空間 〜 斉藤牧場

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2009年1月13日

 まずは斉藤さんの“庭園牧場”の様子からご紹介いたしますね。写真を見て解ると思いますが、岩あり樹木ありデコボコありの放牧地です。これは元の山をブルドーザーなどで表土をめくって整地し、人為的に草地造成したわけでは有りません。
 まず、斉藤さんが放牧地にしようする区域に目を付け、必要な樹木を残しながら生い茂っていたクマ笹や雑木を刈り倒し、それが枯れた頃を見計らって火入れをします。その後で牧草の種子をバラ撒き、新たに雑草が生えて来た頃に牛を放して蹄で踏ませ、種子を土の中に植え込む…いわゆる“蹄耕法”と言うやり方で創り上げられた放牧地です。
 山の樹木や雑草は肥料をやらなくても、根が地下深くからミネラルなどの養分を吸い上げ毎年大きくなります。秋になると紅葉し、冬には葉を落として地表を覆います。根から吸い上げられた養分は葉と共に地表に供給され、微生物によって分解されます。
 これを何百年(何千年かな?)もの時間をかけて繰り返され、栄養分もたっぷり蓄積された表土が創られます。
 このような栄養分たっぷりな表土の上に育った草の品質、それをふんだんに食べられる牛さんたち…牛さん好きのみなさん達はもう想像つきますよねっ!

(つづく)

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