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ゲストのコラム
「牛から視たエサの話−28 「本の紹介(?)」 (村田六蔵)」

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2008年11月4日

 まずは、写真を見て下さい。アフロヘアーにロールスロイスが写った変な写真ですが、これはれっきとした本の表紙です。しかも、題名が「ちょっとアホ!理論」というのでは、この本をまじめな人が買うと思いますか?
 こんな本を買う私もかなりのアホの1人ですが、実はこの本の内容は非常にユニークな経営改善?についてのものです。この副題には、「倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!」とあります。著者の出路雅明さんは、古着屋の㈱ヒューマンフォーラムの社長をされている方でこの時点では、年商57億円、経常利益率12%という業績をあげている会社です。これは、会社が倒産寸前から立ち直っていった経過を書かれていますが、興味のある方は読んでもらうとわかるのですが、いわゆる今流の合理化して計数管理を取り入れたら経営が悪化して倒産寸前になったので、開き直りから仕事においての全ての判断基準を「楽しいか?楽しくないか?」にして「まずは自分と大切な仲間が本当に楽しむこと」を大切するように切り替えてから回復したというものです。それを出路さんは、「ちょっとアホ!」になるという表現をしています。
 この本を読んで、考えてみると、このことは「牛飼い」にもそのまま当てはまるのではないかと思います。楽しくやっている農家さんでは、比較的成績が良くて、しかたなくというかいつも「愚痴」ばかり聞かされる農家さんでは、成績が上がりにくいと思います。楽しくやれる農家さんの共通していることは、「牛が好きだ」ということに集約できるかもしれません。「牛が好きな」人は、牛をよく見ることが出来ますから、牛から小さな発見が出来るようです。そうすると問題が起こる前に対処しているというケースは、多く経験しています。
 前回までの話と共通することですが、牛と人との信頼関係が出来ればよいということになりますね!実は、これは最近経営学でも提唱されているのですが、会社が従業員を信頼することが大事であると言われています。今の従業員管理システムは、信頼しないことが前提で成り立つようになっているので、行き詰ってきていると言われていますから、どの分野であろうと相手を「信頼する」ことが大事なことのようです。なんかガラにもないことを書くとめまいがしてきたのでもうやめときます。

(つづく)

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