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「牛から視たエサの話−26 「牛の性格=人の性格 (その2−2)」 (村田六蔵)」

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2008年10月21日

マーク・H・キニィーのCOW-PHILOSOPHY(酪農哲学)です。

私達は、あなたの乳牛(牛)です。   
私達は、あなたの くださるものを 食べ 
飲まして くださるものを 飲み
住まして くださるところに 住みます
よい牛にも なれば 悪い牛にも なります
丈夫にも なれば 弱くもなり 気持ちよく 
暮らすこともできれば 不愉快にもなります
このように 私達の運命は 酪農家(牛飼い)まかせなのです

 これは、有名な一文ですが、このCOW−PHILOSOPHYの著者の序には、次のように書かれています。

乳牛を選ぶこと、繁殖すること、飼養することなどは、人類が最も古くからやってきたことであり、また人間の仕事としては、最も大きいものである。酪農の大家とか、乳牛繁殖の名人とかいわれる人々は、絵画や彫刻の大家と同じように、本当の意味の芸術家である。しかも、これらの人々のように、人類の福祉に直接大きな貢献をした芸術家は、ほかにないのである。
古代から発達してきた酪農と乳牛繁殖であるが、それにはまだ説明のできないことがたくさんある。このような深遠な事柄について、私のようなものが、説明にあたることの不適切であることは、十分承知しているが、謙虚な気持ちで、この問題を取扱いたいと思っている。

 この本自体は1948年に発刊された古い酪農技術(主として改良中心)ですが、この著者のマーク・H・キニィーは実践と経験から書かれている、牛飼いへの姿勢を示している素晴らしい本だと思います。多くの若い牛飼いの人には読んでほしいのですが、残念ながら、絶版になっています。デーリィマン社さん、再販してくれないでしょうか?

(つづく)

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