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「牛から視たエサの話−24 「牛の性格=人の性格(その1)」 (東京都 村田六蔵)」

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2008年10月7日

 牛から視たエサの話というタイトルですが、エサとは違った話です。自分のブログには書いているのですが、あちこちの農家さんに行き牛舎で牛を見るとよくわかるのですが、それぞれの牧場の牛を「発育の良い子牛であるか」とか「肥育の体型が良いか」とか乳牛ではボディコンディションの状態はどうかなどと牛をよく見ることが大事な仕事ですが、ある時に気が付きました。
 「牛は人の映し鏡である」と思います。
 それは、牛は飼い主の性格(あるいは根性?)によく似たような気がしてしかたないのです。
 肉牛ではないのですが、ある酪農家の話です。そこは、つなぎ飼いの牛舎からフリースバーンという牛が牛舎内を自由に歩けるような形式してミルキングパーラー方式に替えて、かつ規模拡大して100頭の搾乳が出来るようにしました。そこでは、牛の種付けをするのが大変なので和牛の種牛をその牛舎でホルスタイン雌牛と一緒に入れて、自由に種付けをさせるようにしました。規模拡大した酪農家では結構この方式をやっている方は多いですね。種牛からすると、まさにハーレム(男の夢かな?)状態です。
 いわゆる牧牛については、以前オーストラリアに行った時の話では、種牛1頭では、雌牛は50頭が限界であるということでその割合で雌の頭数に応じて種牛の頭数を決めていました。ちなみにオーストラリアでは季節分娩させるために2ヶ月程度の期間しか牧牛をしないそうです。そこで、残りの10ヶ月間の種牛の管理についても勉強したのですが、その1つにマッスルマッサージという実技?がありました。
 これは、種牛のストレスを取る方法だそうで、種牛の金玉(睾丸)を直接マッサージすることです。何となく男は理解できる方は多いと思いますが、実際にマッサージをするというとすごく怖いです。種牛が入っている柵の中に入って行きやらなくてはいけないし、ヘレフォードやアンガスの種牛は1トン以上あるバカでかいやつだし、やれと言われてやりましたが、正直ビビリました。ただ、今考えると種牛を上手に管理する技術としては大変面白いものではないかと思います。

(つづく)

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