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ゲストのコラム
「幸せな牛飼いとなるための10カ条−12 「産地は人が作る NO2」」

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2008年6月17日

 人との出会いは大切です。信頼のおける人とのネットワークは大事にし、その輪を広げていくことが自分自身の財産となります。
 これまでたくさんの和牛改良組合とおつきあいさせて頂きましたが、有名な産地には必ず核になる人物(リーダー)がいると感じています。地域を良くするために、そのリーダーが自分なりのネットワークを駆使しながら、改良や技術改善に取り組む姿勢が強いほど産地は伸びます。
 以前にもお話ししましたが、和牛はなかなか新しくて正しい情報が伝わってこない環境にあるように思います。種雄牛情報は、牛飼い仲間からうわさで聞いた話が広がったり、技術はエサ屋さんやクスリ屋さんを通じて伝聞形式で広まることが多いです。そういったことの交通整理をして、その地域にあった必要な情報を提供するのが、普及員の役割と私は思っています。それと同時に、改良組合としても常にアンテナを高くし、新しく正確な情報がキャッチできるよう努力することも重要です。
 私が担当するあるJAでは、JA職員が素牛の出荷先と情報交換しながら、改良や子牛育成技術の改善に結ぶつくよう頑張っています。農家さんが頑張るにしても、何をどういう風に頑張ればよいのか、方向付けをしてあげる人の存在が、産地の行く末を左右するように思います。

つづく
著:胆振普及センター 出雲将之

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