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ゲストのコラム
「幸せな牛飼いとなるための10カ条−7 「優秀な指導員は農家から学ぶ」」

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2008年5月13日

 私は1978年に普及員として採用され、30年が経過しました。この間北海道内の和牛主産地や新興産地で勤めさせてもらいました。極端な話ですが、100の農家があれば100通りの飼い方があると感じています。冬に雪が多い少ないなど気象条件の違いや、放牧が可能かどうか、使える粗飼料はどういうものか、施設はどんなのかなど農家さんによって飼育環境が違うので、それに合わせた飼養管理が必要となります。基本技術は普遍的なものですが、それを実践するためのテクニックでは、農家さんの応用力が問われます。 これまで何百戸もの肉牛農家さんにお邪魔し、何千頭かの牛を見せてもらう中で私自身の応用力がついたと感じています。指導員の実践力は、牛舎の中で養われるものと思います。牛舎も見ずに技術資料だけ農家さんに手渡して、「読めば分かる」と終わらせる指導員は信用できません。
 農家さんが工夫してうまくやっていることや、改善しなければいけないことは牛舎に行かなければ見えてきません。私自身本で勉強もしましたが、農家さんから学ぶことが非常に多かったです。そういう意味からも、農家さんが他の家の牛舎を見せてもらうことは、非常に参考になります。
 改良組合の取組として、農家巡回研修をお奨めします。(但し、防疫にはくれぐれも注意していください)

つづく
著:胆振普及センター 出雲将之

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