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私は普及指導員の一人として、農家さんに新しい技術などを指導する場面が多々あります。例えば子牛には従来より高いタンパク質を含む飼料を与えたほうが、体高が出て肩幅がつくことが分かってきました(現代農業2006年7月号参照)。しかし、高タンパクは下痢に近い軟便や尿石症にもつながることがあるため、注意が必要です。 こういった飼養管理技術は、いきなり牛舎にいる全ての牛に実践するのではなく、できれば何頭かの牛に試してからにしてください。自分なりにうまくいくことが確信できたら、経営全体に取り込むことにしましょう。 何頭の群で飼育しているか、飼槽の大きさ、給水方法など、施設の条件によってはうまくいかないこともあるのです。高タンパク育成の技術そのものが正しくても、飼育スタイルによっては、下痢や尿石症が増えるなどマイナスに作用して、逆に牛をこじらせることもあります。 技術は農家の飼育スタイルによって選択すべきであり、他の農場でうまくいっているからといって、すぐに全ての牛に導入するのではなく、何頭かの牛で試してから徐々に取り入れるようにしましょう。私が普及指導員だから言うのですが、最新の技術は地元の普及センター(もしくは知り合いの獣医師)と相談しながらチャレンジすることをお奨めします。
つづく 著:胆振普及センター 出雲将之 |