2016年11月18日 牛さんを治療するには、基本的にはまず診断をつけてから治療を始めます。それが正解か不正解かは牛さんのみが知っているのでしょうが、なにせ、彼らは何も言わないために分からないこともまだまだたくさんあります。診断をつけるために、獣医師は牛さんを見たり触ったりと色々してみるのですが、重要なサインの1つとして便の性状があります。 出血性腸炎であれば血の混じった便が見られます。また、腸炎と一言で言っても水様や泥状などいろいろありますが、便の色も注目してみましょう。床に落ちてしばらく眺めていると灰色になってしまうような便は、その牛さんがアシドーシス傾向であるサインの1つとなります。また、腎臓に障害がある牛さんでは緑の便が見られることがあります。便が黄色いと肝臓がやられている可能性があります。子牛の下痢も食餌性のものであれば、黄白色なのか褐色かで、ミルクによる下痢なのか固形飼料による下痢なのかを判断する大事な指標になります。 毎日確実に牛さんのお尻から排出される、たくさんの便ですが、せっかくですのでもう少しまじまじと眺めて牛さんのSOSをいち早く見つけられると良いですね。 前の記事 第149話:恐ろしき肺炎 | 次の記事 第151話:好き嫌い |