糞尿が多く入った畑をどうすると良いのでしょうか?
その対策としては、肥料のコントロールです。糞尿はどうしても入れますので(あるいは捨て場のようになっている)、肥料成分である窒素と加里は十分にあります。
そうすると、不足するのはリン酸になりますが、リン酸を入れるだけでは上手く出来ません。リン酸の特徴は、初期生育時期に吸収しやすいので、播種と合わせて水溶性リン酸である過リン酸石灰(通称は過石と呼ばれています)を10a当り40-60㎏程度入れるとよいでしょう。
また、窒素は多いのですが、糞尿からの窒素は、有機物の形になっているので作物が吸収できる状態になるには土壌で微生物に分解されてからですから、初期には不足することになりますので、初期のために、早く効く窒素を入れる必要があります。その窒素肥料は、硫酸アンモニウム(通称は硫安と言います)を10a当り20㎏程度入れるとよいでしょう。
これらの肥料は、水溶性で水に溶けやすい性質のために速攻性なものです。
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硫安や過石は、土壌を酸性化(pHを下げてしまう)させる肥料であまり進められていません。(取り扱っていない販売店や農協もあります)
しかし、かなりの糞尿を入れた畑では、土壌は成分が過剰になっており、畑から取れた飼料は、成分分析するとミネラル問題が起きています。すでに乳牛の世界では、ミネラルバランスの狂いから、大きな損失(疾病による)が生じています。
せっかく、自分で作るのであれば、購入する乾草などよりも品質よいものを作っていく必要があると思います。