2016年9月21日 台風16号が過ぎ去りました。 ポイントは ②については、「過大子牛による消化管蠕動運動阻害」も食欲不振の原因として推測されます。お母さん牛のお腹の中に、Big Babyが入っていれば物理的な圧迫により消化管がうまく動かなくなってしまうことがあります。分娩を控え、子牛が背側に上がってくるという位置の変化も関係しているのでしょう。その結果、食べたものがおしりの方までスムーズに流れない、いわゆる「食滞」の状態が生理的にできてしまうのです。 もし「いつもの半分くらいは食べてくれる」、「粗飼料の裁断長を短くしたら少し食べる量が増えた」、「ペレットは残すけど、粉末飼料は食いつきがよかった」など、食欲不振が軽度あるいはエサを変えれば食べてくれそうな状態で、なおかつ予定日が近い場合はお産を待つのもひとつの手段です。 分娩後に食欲が完全に回復した症例もありますし、「お産前は子牛が母牛の食欲に影響を与えるケースもある」というのは頭の片隅に常において診療にあたっています。もちろん、お産前の母牛すべてにこれが当てはまるわけではありませんのでご注意を! では、Big Babyが原因でない場合は血液検査のどの項目に着目するのがよいのでしょうか つづく 前の記事 第102話「こんなときの血液検査①~食欲がない~」 | 次の記事 第104話「こんなときの血液検査③~食欲がないPart 3~」 |