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ゲストのコラム
「いい農場の秘密こっそり教えます!14〜@ハインリッヒの法則というのがあります。1〜」

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2007年4月24日

 労働災害の統計を分析すると、重大事故を1とすると、軽い事故が29、事故にはならないがヒヤリとする出来事が300、不安全行為は無数にあるというものです。
農場での場合を考えてみると。
重大なトラブルつまり農場の大ピンチとなることに、伝染性感染症の発生、乾乳期の管理失敗による産後の病気による死亡牛の連続発生、生産物(乳や肉や卵)の人間に感染する伝染病の発生、口蹄疫、BESなど。

軽いトラブル、つまり放置すると重大なトラブルになることに、感染症管理の不徹底、えさのカビや腐敗、環境の不衛生、ミルカーの整備不良と消毒不良など。

トラブルのタネつまり問題は起きなくても危険な兆候となることに、日常の管理で手をぬく、忙しい時に確認作業を省略、農場のメンバーの提案や不満を聴かない、農場内の事務連絡の不徹底、農場内の整理整頓をしない、掃除の不徹底、ミーティングをしない、牛の成績の記録がない、外部からの病気の進入を防ぐ対策がない、乾乳期の肋張りの少なさ、エサ箱の汚れ、など。

トラブルを誘発しかねない行為、誰もがついやってしまう行為として、少しくらいの異常は問題がないだろうと見過ごす、寝不足や二日酔で、だらだらと仕事をする、毎日することをやってしまえば、仕事は終わりだと思ってしまう、言われたことしかしない、地区や学校の行事に忙しくバタバタと仕事を片付ける、など。

整理整頓によって、意識が高くなるとトラブルの種やトラブルを誘発しかねない行為が見えてきます。
「悪くなったら対処しよう」でなくて「悪くなる前に、いい状態をキープしよう」となればしめたものです。ところが、これがなかなかできないのです。
(つづく 著:山本浩通)

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