農場内で整理整頓というと、事務所とか牛舎とか飼料置き場とか倉庫とかを思いつくと思います。
これらの建物、事務所の中以外にスケジュールの整理整頓、繁殖成績の整理整頓、生産物(乳量、体細胞数、乳質など)の状況や牛の状態の整理整頓、農場のメンバーの考え方の整理整頓、農場の将来像の整理整頓、従業員教育の整理整頓なども含まれます。
実際の現場では、農場が片付いてないところは、繁殖成績も整理整頓されていないため
私が「この牛は、いつお産して、いつ種を付けたの?」と聞いてもすぐに返事が返ってきません。「まだ、妊娠していない牛はどれで、治療しないといけない牛はどれなの?」と聞いても即座に答えが返ってきません。
また、スケジュールが整理整頓されていないと、毎日忙しく働いている割には、作業の段取りが悪く、メンバーの連係が取れず、なかなか思うように仕事が進みません。
スケジュールが整理整頓されていれば、今週の作業は何をして誰が担当し、全員ですることを確認し、外部に委託することを確認し、必要な道具や手順を確認したりすることで段取りが格段によくなります。
農場では、忙しい時間と結構暇が取れる時間があるものですが、ひまな時間も無駄にせず効率よく作業をこなすことができます。早く作業が終われば、その分早く上がれます。
また、農場の将来像が整理整頓されていないと、将来に対して明るい気持ちになれません。目の前の作業をこなすことだけで、将来が不透明で漠然とした不安があれば、意欲は出ません。農場長、あるいは社長は農場のメンバーに対して、将来はどんな農場にするのか、そのとき収入はどうなるのか、生活はどうなるのかなど具体的なイメージを持てるかどうかで実行可能性は、かなり高くなり、また、メンバーの意欲も高くなります。
事務所の整理整頓がバッチリできてくると、次に他の部分の整理が気になってきます。一度整理整頓をしようと思って片付けをしても、問題はその後です。
整理整頓の「仕組み」をどうするのか。
「時間があったら片付けよう!」とか「なるべく片付けるようにしよう!」とか「心を入れ替えて片付けよう!」とか「根性で片付けよう!」などと思っても無駄です。
それでは、1回2回はできるのですが、だんだん片付けないようになって、いつのまにか元のようになっています。
私が、それで何回も経験しているのでわかるのです。
(つづく)