私の部屋も、それほど散らかり過ぎているというほどでは、なかったのですが、どっちかというと以前は、あまり片付けがうまい方では、なかったのです。
私の妻から、いつも
「机の上を片付けなさい! 片付いてないとまともな仕事ができないでしょう!」
と言われ続けて、早20年。
それまで私は、少しくらい片付いてなくても、「やろうと思ったことは、している!」
と反論していました。
また、片付けるのは、「性格の違いで、几帳面な妻だから、いつも片付けるんだ!」「人が片付ける、片付けないは性格だから、どうしようもないんだ!」と思っていました。
我が家では、風呂から出たら最後の人は壁を拭いて出てくるようになっています。これは妻の指示ですが、始めは私が思ったことは
「なんで、風呂上りに壁をふきゃなきゃいけないんだ! そんなことする亭主は、世の中にいない! 自分はなんて不幸なんだ!」などと思っていました。
風呂場は、湿気があるとカビが着きます。カビが着くと黒くなっていろんなカビ取り薬を使っても、きれいになりません。
カビが着いて壁が黒くなったら、それをきれいにするより、カビが着かないようにすることが、最良の掃除だったのです。
それで、妻は風呂上りに壁を拭いて出てきていたのです。
永守社長の言う
「汚れたからきれいにする。つまり、不良品がでたら直せばいいという気持ちから最初から汚さないようにする。すなわち、お互いに注意して不良品を出さないように気をつける。こうした風土をつくっていかなければ、いつまでたっても不良品は減らないし、なくなりもしない。」まさにこれなのです。
(今さらながら、私の妻は、なにか事業をさせていれば必ず成功していたと思います。社会で仕事をさせれば大成します。)
それが、永守社長をはじめ、ビジネスの達人が、同じことを言っているのを知って、整理整頓が「意識の違いになり、それが管理の違いになる」 ことを知りました。
20年間にわたって妻から指摘されて、なかなかできなかったのです。
私が農家に行って「整理整頓が必要!」 だなんて言っても5年や10年で、変わらないかもしれません。
いや、簡単には変わらないのです。
自主性に任せていたら、20年くらいかかるのでしょうね。
個人のことはどうであれ、組織、あるいは農場として変えるには、20年かかるのを、2〜3年にするには、はじめは 「強制」 しかないのかもしれません。
でなければ、自主性にまかせていては整理整頓なんて、20年、ヘタすれば廃業するまで、できません。
(つづく)