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松本大策のコラム
お薬のお話し ~モネンシンについての訂正~

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2016年8月8日

 またまたまちがった情報を鵜呑みにしてコラムを書いてしまいました。言い訳させていただけるなら、このHPを作った大元の動機が「まちがったことを言ったらすぐに訂正する」ためでした。本を書いた後、しばらくは自分の文章が活字になった喜びを感じていたのですが、すぐに「まちがったことを書いていて、間に受けた人が大損して首をくくったらどうしよう?」という想いに悩まされました。
 そこで、すぐに訂正できるように、とこのHPを作ったのです。月刊誌でも訂正には1ヶ月はかかりますからね。

 前置きが長くなりましたが、モネンシンとマイコプラズマ対策の抗生物質の併用の危険性について、以前のコラムで書かせていただいたのですが、内容に誤りがありました(現在は訂正済みです)。

 モネンシンとチアムリンの併用で死亡例があるという情報を得たのでそれを書いたのですが、死亡例ではなく中毒症状が出た、というのが真相だということです。
 その原因は、モネンシンとチアムリンは同じ処理系で分解されるのですが、そこで分解速度が遅くなる、あるいは分解効率が悪くなるために、毒性が現れてしまうということでした。他の抗生物質については、中毒情報はないとのことで、分解経路もモネンシンとはサブサブファミリーが違うので大丈夫だとのことでした。サブサブファミリーというのは北島サブちゃんの同門ではなく、一次処理と二次処理みたいな意味と考えてください。サブファミリーが一次処理、サブサブファミリーは二次処理くらいの理解で良いと思います。

 今回の情報源は、モネンシンの製造元であるエランコ社の古い友人からですので確実です。漢Kさん、軽率な情報提供してごめんね。

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