もうひとつの問題は、「不良牛であるかどうかが見えるか」です。
人は意識で物を見ます。同じ牛を見ても、不良牛と見る人もいれば、普通の牛だと見る人もいます。
牛の変化が見える意識をどう作るか。それが、整理整頓なのです。
整理整頓をまず、なんでもいいから、ひとつ初めてみてください。
この不良牛を出さない農場にするには、
「品質管理の原点」である、整理整頓からでしょうね。
まずは、事務所の整理と農場の目立つところの整理整頓。とにかく、毎日、かたづけるのです。それをやれだしたら、次に他のところに目が向きます。
たとえば、「削蹄」とにかく、削蹄に気をつけて、ここ数ヶ月は管理をしてください。蹄がきれいになると、次に他の部分が気になり出します。
牛の乳頭に痛み方が気になりだすと、搾乳方法が気になります。ほとんどの農場で過搾乳が起きています。ミルカーがはずれた後の残乳量が200〜400ml 必要ですが、ほとんどの農場では、少な過ぎます。
こんな情報は、いろんなところで言われているので、ほとんどの酪農家は知っているはずですが、実行している農家は少ないんです。金をかけずに、対処できます。
搾乳方法をチェックしたら、次に牛の体の汚れが気になりだします。
そうすると、寝床の管理や運動場の管理に気を付けるようになります。
このように、意識が変わると見えてきます。
その意識を変える最大で最良で最安の方法が、整理整頓なのです。
なにしろ 「お金がかからない」 というのが一番のお勧めですね。
(つづく)